「男性育休は本当に素晴らしいものだけど、取得することだけが正解ではない。家族が幸せなら、どんな形でもいい」
そう穏やかに語るのは、現在2人のお子さんの子育て真っ只中にある「こさてぃ」さん(37)。今年、下のお子さんの誕生に伴い5ヶ月間の育休を取得し、5月に職場へ復帰したばかりです。
今回は、自身のライフステージの変化、趣味であるサッカーへの情熱、そして一歩踏み出したパパコミュニティでの活動への想いについて、等身大の言葉で語っていただきました。
5ヶ月間の育休と、バタバタの中で迎えた復職

現在は東京都多摩エリアに居を構え、5歳の長女(年長)と0歳6ヶ月の次女の2人のパパであるこさてぃさん。上の子の時にも3ヶ月の育休を取得した経験がありますが、今回は下のお子さんのために5ヶ月間の育休を取得しました。
「4月は上の子の進級や下の子の慣らし保育があったので、家族みんなが新しい生活に慣れる大事な期間と復帰を5月にしました。おかげで慣らし保育はとても順調でした」
5月に夫婦揃って復職し、現在は「かなりバタバタしている」と笑いますが、少しずつ新しい生活リズムに身体が馴染んできたと言います。頼れるときには近くにある妻の実家のサポートも受けながら、おじいちゃん・おばあちゃんとの交流も大切にする、温かい家族の日常がそこにあります。
仕事から離れて気づいた、本当に大切なものの優先順位
37歳を迎え、体力の変化を感じることもあるというこさてぃさん。育休というまとまった期間は、日々の業務に追われている時には持てなかった「立ち止まって考える余裕」をくれたと言います。
「ずっと仕事をしていると、余裕がなくなって大切なものが見えなくなる。でも、一度仕事から離れてみると、やっぱり家族との時間が何より愛おしいものだと気づかされました。今は、仕事の優先順位はそこまで高くなくていい、家族との時間を一番にしたいと素直に思っています」
人生に欠かせない「サッカー」と、限られた時間

幼少期を横浜市で過ごし、「こどもの国」で遊び回っていたというこさてぃさんの人生に、今も深く根ざしているのが「スポーツ観戦」、特にサッカーへの情熱です。
好きになったきっかけは、2002年の日韓ワールドカップ。学生時代からはイングランド・プレミアリーグを観るようになり、いわゆる「BIG4」と呼ばれる強豪ではなく、もう一歩で上位に届くという絶妙な立ち位置の中堅チーム「アストン・ビラ」のファンになりました。学生時代には実際にバーミンガムの街へ足を運び、歩けばスタジアムに行き着く現地のフットボール文化を肌で感じた経験もあります。
しかし、2人のパパとなった今年は、時間の使い方も大きく変わりました。
「一人の時は夜中にいくらでも観られましたが、今年はさすがに全部を追いかけるのは諦めました(笑)。自分の時間は格段に減りましたが、今は子供たちが寝静まった後の限られた時間で楽しんでいます」
「パパ育コミュ」との出会い――正解のない世界で、自分らしさを肯定する

そんなこさてぃさんが、パパたちのネットワークである「パパ育コミュ」に出会ったのは、ある交流会がきっかけでした。そこで感じたのは、これまでにない心地よい空気感だったと言います。
「男性育休の取得率といったテーマで話したとき、『育休を取らなくても、家族が幸せならそれでいい』という意見が出たんです。世間では『男性育休を推進しよう』という一方向の空気になりがちですが、ここではそれぞれの家庭の多様性や、その人らしさを尊重してくれる。正解を押し付けない雰囲気が、すごく自分に合っているなと感じました」
コミュニティの「適度なゆるさ」と「ビジョンを持ってしっかり組織運営されているバランスの良さ」に惹かれ、新入メンバーながら、早くもコミュニティの運営そのものに携わる面白さを感じ始めています。
男同士だから語れること、そして「育児の楽しさ」を発信する意味
こさてぃさんは、このコミュニティに「2つの価値」を感じていると語ります。
1つ目は、「地に足のついたパパ同士のつながり」。 「地域の育児コミュニティだと男性は少数派になりがちですが、ここには男同士だからこそ気兼ねなく話せる距離感がある。変にキラキラしていなくて、みんな等身大なんです。忙しい時期だからこそ、同じ目線で悩みを共有できる安心感があります」
2つ目は、「コミュニティを自分たちの手で形にしていくおもしろさ」。 本業でHR(人事向けサービス)に携わっているこさてぃさんにとって、コミュニティのミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を策定し、組織が大きくなっていくフェーズに関われることは、自身の知見も活かせる刺激的な体験です。
「今後は、あえて育児に直接関係のないイベントもやってみたいですね。パパたちが自分の趣味や楽しみを熱く語るような場です。『育児は大変』という側面ばかりが強調されがちですが、子供が生まれたことで増える楽しみだってたくさんある。SNSだと叩かれがちでなかなか言えない『子育て、めちゃくちゃ楽しいですよ!』というポジティブな声を、もっと堂々と発信して、共有していけたら面白いなと思っています」
【編集後記】 家族を最優先にしながらも、自分自身の「好き」な時間も諦めず、そして新しいコミュニティの未来へ挑戦しようとしているこさてぃさん。働き方も、生き方も、誰かが作った正解をなぞるのではなく、グラデーションの中で「自分たちの答え」をデザインしていく――そんなしなやかな強さを感じさせてくれるインタビューでした。
