【2026年度版】子育てのお金、何が変わった? 高校無償化・給食無償化・支援金徴収を世帯別にやさしく解説

家計簿を前に2026年度の子育て制度とわが家のお金を確認する家族のイメージ

2026年度、子育てにまつわるお金の制度が一斉に動き出しました。高校授業料の実質無償化(所得制限の撤廃)、給食費の無償化、こども誰でも通園制度の全国本格実施——家計には大きな追い風です。一方で、2026年5月の給与からは「子ども・子育て支援金」の徴収も始まりました。給付は増えるけれど、負担も増える。「結局わが家はプラスなの?マイナスなの?」——その疑問に、世帯別の実質負担という切り口で正面からお答えします。

「無償化」という言葉だけが先に聞こえてきて、実態がよくわからない。そんなモヤモヤを抱えるパパ・ママは少なくありません。本記事では、歓迎ムードを認めたうえで、語感と実態のズレ・負担増の側面も冷静に併記します。今夜、家族と「うちはどう変わる?」を話すための一枚絵としてお使いください。

もくじ

  1. 2026年度、子育てのお金まわりで変わったこと【早見表】
  2. ① 高校授業料の無償化(所得制限撤廃・私立も拡大)
  3. ② 給食費の無償化
  4. ③ 子ども・子育て支援金の徴収開始(2026年5月給与から)
  5. ④ こども誰でも通園制度(1時間300円・全国本格実施)
  6. 【世帯別シミュレーション】わが家の実質負担はどう変わる?
  7. まとめ:制度を”自分ごと”にする3つのチェックポイント

2026年度、子育てのお金まわりで変わったこと【早見表】

まずは全体像です。2026年度に動いた4つの大きな変更を、1枚にまとめました。

制度何が変わった?家計への向き
① 高校授業料の無償化所得制限が撤廃され、私立への支援も拡大プラス(給付増)
② 給食費の無償化対象拡大。ただし自治体差が大きいプラス(給付増)
③ 子ども・子育て支援金2026年5月給与から徴収開始マイナス(負担増)
④ こども誰でも通園就労要件なし・1時間300円で全国本格実施プラス(選択肢増)

「給付が3つ、負担が1つ」と見ると一見プラス優勢ですが、給付の恩恵は世帯属性(子の人数・年齢・進学先・就労状況)で大きく変わり、負担はほぼ全員一律という非対称があります。ここを押さえておくと、以降の各制度の話が整理しやすくなります。

① 高校授業料の無償化(所得制限撤廃・私立も拡大)

何が変わった? 公立・私立それぞれの支援

これまで高校の就学支援金には世帯年収による所得制限がありました。2026年度はこの所得制限が撤廃され、世帯年収にかかわらず支援の対象になります。公立高校の授業料に相当する年11万8800円が基本の支給水準で、私立高校についても支援上限の引き上げが段階的に進められています。文部科学省の発表では、所得制限撤廃により新たに支援対象となる世帯は全国で相当数にのぼるとされ、これまで「あと少しで対象外」だった中高所得層が初めて当事者になります。

【注意】”無償”は授業料のみ。諸費用は残ります

ここが最も誤解されやすいポイントです。「高校無償化」という言葉から「高校にかかるお金がすべてタダになる」と受け取ってしまいがちですが、無償化の対象はあくまで授業料です。入学金、教科書・教材費、制服代、修学旅行積立、部活動費といった授業料以外の費用は、これまで通り自己負担として残ります。

実際、授業料以外にかかる費用は公立で年間およそ31万円、私立でおよそ53万円という試算もあります(寺田税理士事務所/note)。「無償化されたから教育費の準備はもう不要」と考えてしまうと、家計設計を見誤ります。”無償”の範囲を正確に把握しておくことが、賢い備えの第一歩です。

賛否の整理:私立優遇・公立空洞化への懸念

歓迎する声が大きい一方で、専門機関からは慎重な指摘も出ています。日本経済研究センター(JCER)の調査では、私立への支援上限引き上げに対して約7割が反対という結果が示されました。また野村総合研究所(NRI)のコラムは、私立への支援拡大によって生徒が私立に流れ、公立高校の定員割れ・空洞化や、長期的な財政負担の増大につながる懸念を指摘しています。

家計にとっては追い風である一方、教育全体の制度設計としては「私立優遇ではないか」「公立の役割はどうなるのか」という論点が残っているわけです。給付を受け取る側としても、こうした議論があることは知っておきたいところです。

② 給食費の無償化

学校給食費の無償化も、2026年度に向けて対象が広がっています。子育て世帯にとって、毎月数千円の給食費がかからなくなる効果は決して小さくありません。年間で考えれば、子ども1人あたり4〜5万円程度の負担軽減になる家庭もあります。

ただし、給食費無償化は国の一律制度ではなく、自治体ごとの取り組みによる差が大きいのが実情です。完全無償化に踏み切った自治体もあれば、一部補助にとどまる自治体、所得や子の人数に条件を設けている自治体もあります。「隣の市では無償なのに、うちの市はまだ」というケースも珍しくありません。お住まいの自治体の最新の運用を、一度確認しておくことをおすすめします。

③ 子ども・子育て支援金の徴収開始(2026年5月給与から)

いくら引かれる? 医療保険料への上乗せの仕組み

ここまでは給付の話でしたが、その財源を支えるのが「子ども・子育て支援金」です。2026年5月の給与から、健康保険料に上乗せする形で徴収が始まりました。会社員・公務員はもちろん、自営業の国民健康保険加入者まで、原則として子の有無や年齢にかかわらず、健康保険の加入者が広く負担します。

負担額は保険料に紛れる形で天引きされるため、「給与明細を見ても支援金という項目が見当たらない」というケースが多くあります。だからこそ、5月以降の健康保険料を以前と比べてみることが、自分の負担を把握する第一歩になります。

賛否の整理:「実質増税」「独身税」という批判

支援金には、複数のメディアから強い批判が向けられています。代表的なのが「実質的な増税ではないか」「子どものいない世帯から徴収する事実上の”独身税”ではないか」という指摘です(日本経済新聞ほか)。社会全体で子育てを支えるという理念は理解できても、子の有無や年齢で受益に大きな差があるなかで全員から一律に徴収する設計には、納得感が世帯属性で分かれるのが現実です。

また、政府が当初説明した「歳出改革等で実質的な負担増は生じさせない」という方針との整合性を疑問視する声もあります。給付の拡充は歓迎しつつも、その負担が誰にどう及ぶのかは、受益者である子育て世帯こそ冷静に見ておく必要があります。「給付されるからありがたい」だけで終わらせず、負担と給付をセットで捉える——それが誠実な向き合い方だと考えます。

④ こども誰でも通園制度(1時間300円・全国本格実施)

2026年度から全国で本格実施されたのが「こども誰でも通園制度」です。最大の特徴は、親の就労要件を問わないこと。これまでの保育園は「働いていること」が利用の前提でしたが、この制度は就労の有無にかかわらず、1時間300円程度で子どもを預けられます。在宅で育児をするパパ・ママにとって、リフレッシュやリスキリング、用事の時間を確保する現実的な選択肢が増えました。

一方で、現場からは懸念の声も上がっています。保育士不足が続くなか、新制度への対応が現場の負担をさらに増やすという指摘があり、ある調査では保育士の多くが新制度を手放しでは「評価しない」と回答しています。事故リスクや保育の質の低下を不安視する声(保育士の約75%が不安と回答した調査も)もあります。さらに、運用状況や予約の取りやすさには地域差が大きいのが現状です。「全家庭が使える便利な制度」という期待と、「現場は本当に回るのか」という不安が拮抗している——この両面を理解したうえで、上手に・安全に活用していきたいところです。

【世帯別シミュレーション】わが家の実質負担はどう変わる?

では、結局わが家はプラスなのかマイナスなのか。3つのモデルケースで、ざっくりとした方向感を整理します(数字は概算で、前提条件により変動します)。

ケース1:年収400万円・子1人(小学生)

  • 負担:支援金は年7,000円前後
  • 給付:給食費無償化で年4〜5万円程度、児童手当は継続
  • 方向感:足元から明確にプラス。高校進学後は授業料無償化の恩恵がさらに加わります

ケース2:年収700万円・子2人(中学生・高校生)

  • 負担:夫婦合算で支援金は年1万円強
  • 給付:高校授業料無償化(所得制限撤廃で新たに対象化)+給食費無償化
  • 方向感:所得制限撤廃の恩恵を最も受ける層。年単位で大きくプラス。ただし授業料以外の諸費用(私立なら年50万円超も)は残る点に注意

ケース3:年収900万円・子1人(私立高校)

  • 負担:支援金は年1.5万円程度
  • 給付:所得制限撤廃で授業料支援の対象に
  • 方向感:プラスだが、私立の授業料以外の費用が大きいため、無償化の「実感」は家庭の進路選択で変わります

見えてくるのは、「負担はほぼ全員一律、給付は世帯属性で大きく分かれる」という構造です。多くの子育て世帯にとってはネットでプラスですが、その大きさは子の人数・年齢・進学先で相当に変わります。「無償化=全部タダ」ではなく、「わが家の場合はいくら変わるか」を具体的に把握することが、家計を守る鍵になります。

まとめ:制度を”自分ごと”にする3つのチェックポイント

2026年度の制度変更は、多くの子育て世帯にとって追い風です。ただし「無償化」「給付拡充」という言葉のイメージだけで受け止めると、諸費用の自己負担や支援金という負担を見落としかねません。最後に、制度を”自分ごと”に翻訳するための3つのチェックポイントを提案します。

  1. 「無償」の範囲を確認する — 高校無償化は授業料のみ。入学金・教材費・制服・修学旅行費は残ります。給食費無償化はお住まいの自治体の運用次第です。
  2. 負担も給付もセットで見る — 給付が増える一方で、5月から支援金の負担も始まりました。給与明細で健康保険料の変化を一度確認してみてください。
  3. わが家のネット(差し引き)を把握する — 子の人数・年齢・進学先で受益は大きく変わります。「うちはプラスか、マイナスか」を具体的な数字で押さえておきましょう。

制度は、知っているかどうかで受け取れる恩恵が変わります。そして、賛否のある制度ほど、一人で抱え込まず、同じ立場の仲間と情報交換することが理解の近道になります。今夜、ぜひご家族で「うちはどう変わる?」を話してみてください。

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「有志で運営しているものですので、参加費は『無料』です」(パパ育コミュ運営より引用)

また、育児中のママさんの参加も歓迎しています。夫婦で育児の悩みや情報を共有したい方もぜひご参加ください。

参加方法は lit.link/papaiku から各種オープンチャット・SNSへ。


本記事は2026年6月時点の文部科学省・こども家庭庁等の発表資料および関連報道に基づき構成しています。制度内容は今後の運用で変更される場合があり、給食費無償化など自治体ごとに運用が異なる制度もあります。最終的な負担額・給付額は個別の世帯条件により異なりますので、詳細は各自治体・勤務先・社会保険労務士等にご確認ください。本記事は特定の政党・政策への賛否を表明するものではありません。

この記事を書いた人

となりー